Burp suiteからsqlmapコマンドを生成する拡張
タイトルの通りのものを作ったので公開しておきます。
すでにGithubに上げているので、ここでは簡単な説明だけ。
概要
タイトルの通り、Burp suiteからsqlmapコマンドを生成する拡張です。
少ない手順でsqlmapを実行できます。
Burp suiteにはSQLiPyなど優秀な拡張があるんですが、どうしてもBurpが重い&不安定になるので、コマンドラインでsqlmapしたいという人向けです。
きょうびSQLインジェクションなんか持ってるサイトはすかさずこいつで・・・
使い方
Burp suiteのコンテキストメニューから「Copy sqlmap PoC to Clipboard」を選択します。
以下のスクリーンショット参考。
操作中のHTTPリクエストに対応するsqlmapコマンドがクリップボードにコピーされます。
例として、リクエストとコマンドを載せます。
HTTPリクエスト:
POST /sqli/sqlitest.php HTTP/1.1 Host: victim.example.com User-Agent: Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; WOW64; rv:43.0) Gecko/20100101 Firefox/43.0 Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,*/*;q=0.8 Accept-Language: ja,en;q=0.5 Accept-Encoding: gzip, deflate Referer: http://victim.example.com/sqli/sqlitest.php Connection: close Content-Type: application/x-www-form-urlencoded Content-Length: 7 id=mob1
コマンド:
python sqlmap.py -u "http://victim.example.com:80/sqli/sqlitest.php" --cookie="" --referer="http://victim.example.com/sqli/sqlitest.php" --headers="Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,*/*;q=0.8\r\nAccept-Language: ja,en;q=0.5\r\nAccept-Encoding: gzip, deflate\r\nConnection: close\r\nContent-Type: application/x-www-form-urlencoded" --host="victim.example.com" --user-agent="Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; WOW64; rv:43.0) Gecko/20100101 Firefox/43.0" --all --data="id=mob1"
テストするパラメータを指定したい場合は、リクエストのパラメータ名部分を選択した上でコマンドを生成します。
たとえばパラメータ'id'なら以下のようになります。( -p オプションが付く)
python sqlmap.py -u "http://victim.example.com:80/sqli/sqlitest.php" --cookie="" --referer="http://victim.example.com/sqli/sqlitest.php" --headers="Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,*/*;q=0.8\r\nAccept-Language: ja,en;q=0.5\r\nAccept-Encoding: gzip, deflate\r\nConnection: close\r\nContent-Type: application/x-www-form-urlencoded" --host="victim.example.com" --user-agent="Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; WOW64; rv:43.0) Gecko/20100101 Firefox/43.0" --all --data="id=mob1" -p id
コピーしたら、sqlmapのディレクトリ上でコマンドラインから実行してください。
その他
素直に sqlmap -r を使うのもいいと思います。
Burp Suiteとnghttpxを使ってHTTP2のWebアプリに接続してみよう
2015年2月にHTTP2がRFC化された。これから普及が進むことが期待される。既にいくつかのクライアントやサーバはHTTP2に対応しており、対応アプリケーションは、以下のGitHubでまとめられている。*1
HTTP2では、バイナリプロトコル、サーバープッシュ、多重化など新要素がある。これに伴うセキュリティ面ではOWASP等で議論が重ねられているところだけど、ここでは置くとして、さしあたり僕が気になるのは、従来型のWebアプリケーションのテストはどうなるんだろうという点。
テストのためにはフォワードプロキシが欲しい。が、あいにくBurp SuiteやFiddlerなどはまだ対応していない模様。上のGitHubを見てもフォワードプロキシはあまりなく、すぐ利用できるものもなさそう。
HTTP2はバイナリプロトコルなので、HTTPリクエストをそのままガシガシ編集することもできない。
いざ「HTTP2でアプリケーション作ったのでテストよろしくね」的な無茶振りがきた場合、途方に暮れるおそれがある。*2 *3
そこで今回は実験的に、Burp Suiteとnghttpxを組み合わせてHTTP2のWebアプリケーションにアクセスしてみたい。
検証環境
検証環境のイメージ
以下のイメージ。
ざっくり流れを説明すると、
・ブラウザからBurp Suiteを通して接続する。ここはHTTP1。
・クライアント側のフォワードプロキシ(nghttpx)でHTTP1→HTTP2にアップグレード
アプリケーション
検証用に、入力値(名前)を受け取ってようこそというメッセージを出すだけのシンプルなphpスクリプトを用意。*5
hello.php
<?php $name = $_POST["name"]; if($name=="") { $name = "guest"; } ?> <html> <head> <title>greeting</title> </head> <body> <h1>greeting</h1> Hello, <?php echo htmlspecialchars($name, ENT_QUOTES, 'UTF-8'); ?> !<br /> <br /> <?php if($name=="guest") { ?> Input your name.<br> <form action="./hello.php" method="post"> Name: <input type="text" name="name" size="24" value="" /> <input type="submit" /> </form> <?php } ?> <a href="./hello.php">back</a><br /> <br /> </body> </html>
手順
- ブラウザとかBurpとかApacheはテキトーに起動する。
- ブラウザのプロキシ設定をBurpに、Burpのプロキシ設定をフォワードプロキシのnghttpxに設定する。
- フォワードプロキシのnghttpxを以下のコマンドで起動する。
nghttpx -p -k -LINFO -f0.0.0.0,8090 -b192.168.120.128,8443
- リバースプロキシのnghttpxを以下のコマンドで起動する。
nghttpx -LINFO -f0.0.0.0,8443 -b127.0.0.1,80 /root/cert/server.key /root/cert/server.crt
- ブラウザからサーバのURLにアクセスする。
結果
ブラウザから、フォワードプロキシを経由してWebアプリケーションに接続できることを確認した。
アクセスの様子
ブラウザから、サーバのURL「http://192.168.120.128:8443/hello.php」にアクセスしたところ。
フォームをSubmitしたときのHTTPリクエスト
POSTパラメータ「name」の値を改変
HTTPレスポンス。改変後の値で処理されている。
結果表示。
ログでの確認
フォワードプロキシのログを見ると、リクエストがHTTP1→HTTP2にアップグレードされていることがわかる。
(前半がBurpから受け取ったHTTPリクエスト、後半がサーバに送るHTTPリクエスト)
20/Apr/2015:23:06:57 +0900 PID25573 [INFO] shrpx_https_upstream.cc:153 [UPSTREAM:0x7ffc3b84e060] HTTP request headers POST http://192.168.120.128:8443/hello.php HTTP/1.1 Host: 192.168.120.128:8443 User-Agent: Mozilla/5.0 (X11; Linux x86_64; rv:31.0) Gecko/20100101 Firefox/31.0 Iceweasel/31.5.0 Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,*/*;q=0.8 Accept-Language: en-US,en;q=0.5 Accept-Encoding: gzip, deflate Referer: http://192.168.120.128:8443/hello.php Connection: keep-alive Cache-Control: max-age=0 Content-Type: application/x-www-form-urlencoded Content-Length: 35 (中略) 20/Apr/2015:23:06:57 +0900 PID25573 [INFO] shrpx_http2_session.cc:1279 [DHTTP2:0x7ffc3b836780] Negotiated next protocol: h2-14 20/Apr/2015:23:06:57 +0900 PID25573 [INFO] shrpx_http2_downstream_connection.cc:438 [DCONN:0x7ffc3b8216c0] HTTP request headers :scheme: http :path: /hello.php :authority: 192.168.120.128:8443 :method: POST accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,*/*;q=0.8 accept-encoding: gzip, deflate accept-language: en-US,en;q=0.5 cache-control: max-age=0 content-length: 35 content-type: application/x-www-form-urlencoded host: 192.168.120.128:8443 referer: http://192.168.120.128:8443/hello.php user-agent: Mozilla/5.0 (X11; Linux x86_64; rv:31.0) Gecko/20100101 Firefox/31.0 Iceweasel/31.5.0 via: 1.1 nghttpx
課題
アクセス自体はできたものの、いま分かっている課題を挙げる。
まとめ
HTTP1→HTTP2にアップグレードできるフォワードプロキシ(nghttpx)を使って、Burp SuiteでHTTP2サイトにアクセスしてみた。Burp Suiteはテストに使えそうだけど、実用を考えるとまだクリアする課題がある。やはりBurp SuiteなどのテストツールがHTTP2に対応するのを期待したい。
IPv6に対する検証コマンドのメモ
IPv6のサーバに対して検証をする機会があって、コマンドとかIPv4とは勝手が違う部分があって苦労している。
あまりまとまっているページが見当たらなかったので、調べた内容を把握する範囲でメモしておこう。
基本的には、クライアントはLinux環境を想定している。
コマンドなど
ping
ping6コマンドを使う。
ping6 -c 3 2001::abcd
リンクローカルアドレスはインタフェース番号を末尾に付ける。
ping6 -c 3 fe80::abcd%eth0
telnet
-6オプションを付ける。
telnet -6 2001::abcd 80
Windowsではオプション不要。
ssh
-6オプションを付ける。
ssh -6 2001::abcd
ftp
-6オプションを付ける。
ftp -6 2001::abcd
ssl
接続にはncatを使う。
調べた限りOpenSSLではv6に接続できなかった。
ncat -6 --ssl -v 2001::abcd 443
OpenSSLが使えなかったので、Cipher Suiteの確認はsslscanかnmapを使う。
sslscanの場合:
sslscan --ipv6 [2001::abcd]:443
nmapの場合:
nmap
-6オプションを付ける。
nmap -6 2001::abcd
Nessus
Linux環境からスキャンする。
Windowsだとスキャンできない。(5.2のhelpには「IPv6 is now supported on most Windows installations」とあるが、期待した結果が得られなかった)
OpenVAS
Linux環境からスキャンする。
ひとまず以上。
追加があれば追記する。
Burp suiteのリクエスト/レスポンス文字化け対策(試作)
Burp suiteのリクエスト/レスポンスからコピペするとマルチバイト文字が文字化けしてしまう問題について、Burp Extenderで試作してみた。
ニッチなところに需要があるかもしれないので、まずは、ひっそりと置いておきます。
なお、お約束として、動作を保証するものではありません。
概要
- Burp Extenderで実現(コピーのためのコンテキストメニューを追加)
- Burp proxyで現在表示しているリクエスト/レスポンスを、クリップボードにコピー
- 現時点では、リクエスト/レスポンス全体コピーと、ヘッダのみコピーの機能を搭載
要件
- burp suite 1.5.01以上(新しいBurp Extenderが必要)
- JRE 1.7以上
あとは特にないと思います。
動作確認は、Windows 8.1、JDK 1.8.0_05、Burp suite 1.6(Free版)でやっています。
使い方
Burp proxyのコンテキストメニューにメニューが追加されているので、それを選べばOK。
今後の課題
- 他のBurpツールからのコピー(現在Burp proxy以外の動作は未定義)
- 「選択範囲のみコピー」で、マルチバイト文字の途中まで選択状態でコピーすると化ける(これは仕方ないかも)
- その他
ダウンロード
https://github.com/tosebro/CopyForEvidence
(2014/07/02 更新)
・UTF-8以外で化けるのを修正
(2014/07/03 更新 ver.alpha 25)
・Proxyのhistoryからのコピーに対応。
・選択範囲のコピーに対応。ようやく実用的になってきた。
(2015/03/29 更新)
・GitHubに公開しました。
まとめ
Burp suiteの文字化け対策を試作してみた。
新しいBurp Extenderはかなり強力になっているようなので、他にもいろいろ拡張できそう。折を見て更新していきたい。
そもそもの話
文字化けの原因が分からず。swingからクリップボードへの文字列コピーが怪しいと思ってるが、、、
Burp suite文字化けの原因とか有効な対策があったら教えて下さいm(_ _)m